"お父さんみたいな小説家になる"





・・・昔、俺がなりたかった"将来の夢"の話






俺の親父は、特別売れている・・・名の知れた小説家




というわけではない



だけど、地味に人気があって



売れているわけじゃないけど・・・順々に売れている




そんな感じの人だった。



だけど、確かに親父の本は・・・地味に人を惹きつける。



呼んだ人はみんな何かを感じる。




・・・親父は、そんな本を・・・書いていた。







そんな親父を、俺は慕っていた。









だけど


年を重ねる事に親父は変わっていった。





・・・あいつはいつも、本の事ばっかりだ。


朝と夜の逆転の生活


会話のない食事


会話のない夫婦


・・・口を開いても、本の事ばかり





「・・・母さんが・・・亡くなった」




俺がそう伝えた時


あいつはこっちを見向きもしないで


返事もしない





・・・許せない。



俺は・・・親父を許せない




母さんは
親父に殺されたんだ




〜keita.Ver〜